薬剤師×デザイナー。業種の異なる二人が、薬局の未来について語り合いました。

薬剤師×デザイナー。業種の異なる二人が、薬局の未来について語り合いました。

薬剤師の仕事はもっともっと輝けるハズ。
そのためには調剤薬局を根底から変えなければ—。
マイタウン薬局の薬剤師、斉藤がそう考えている時、
二人は出会いました。
調剤薬局を生まれ変わらせるという難題に取り組むべく、
共に歩み始めた二人が、薬局の未来について
語り合いました。

interview : Yumico kojima

当たり前の事を当たり前にやる。

  • 小島:あいにくの天気ですが(笑)
  • 斉藤:ですね(笑)。よろしくお願いします。
  • interviewer—それではまずお互いの第一印象を。
  • 斉藤:あ、スーツじゃないんだ…と思いました。
  • 小島:それは印象良くないってことですよね?(笑)
  • 斉藤:いえ、良い悪いじゃなくて、ただ、スーツじゃないんだなと。僕が普段仕事でお会いする方、例えば病院の先生や製薬会社の方など多くの人と関わりますが、ほとんどの人がスーツなんです。私たちも白衣の下はネクタイを締めてますので、小島さんのようなクリエイターはやっぱりスーツじゃないんだなと思いました。
  • 小島:(苦笑)関わるにつれ、身だしなみの大切さを知り、今日はジャケットを着てきま した(笑)。僕の斉藤さんの第一印象はズバリ「正直な人だなぁ。」でした。僕はどんな仕事でも、まずその人の考え方に共感できるかどうか、僕の力で本当に 役に立つことができるかどうか、そこをしっかり見極めます。そうしないと結局お互い迷惑をこうむる事になる。そうならない為に、そこでお断りせざるを得ない案件もあるんですが、斉藤さんの第一印象はとても良かったですね。根拠はないんですが「あ、これなら行ける」という瞬間がありました。思い返せば、それは斉藤さんが様々な思いを僕にぶちまけた後にぽろっと「難しいことをしようとは思っていないんです。当たり前のことを当たり前にやっていけば 必ず良くなるはずなんです。」とおっしゃった時になるのかな。淡々と話す言葉の中に何か熱いモノがキラっと見え、難しい課題だとは思いましたが、この仕事をお手伝いしたいと強く思えました。
マイタウン薬局春日井店の近くを歩きながら、慣れない撮影に苦笑いをする二人。

マイタウン薬局春日井店の近くを歩きながら、慣れない撮影に苦笑いをする二人。

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薬局がお薬を渡すだけの場所になっている。

  • interviewer—ではそこからトントン拍子で進んでいったと。
  • 小島:いや、これが結構大変で。
  • 斉藤:そうですか?(笑)
  • 小島:いつも良い答えを導き出すことができるので、結果的には相性が良いってことになるとは思うんですが、とにかく一 つひとつに時間がかかります(笑)。斉藤さんの正直さと、ブレなさには驚異的なモノを感じますね。それに加えて僕も少しでも引っかかる所があれば納得行くまでトコトンやりたいタイプなので、まぁ時間がかかります。そして、問題がマイタウン薬局だけじゃなくて、調剤薬局全体の問題というか。そういう所が難しい所ですよね。最初は僕自身も調剤薬局や薬剤師に対して間違った見方をしていましたし。
  • 斉藤:小島さんだけでなく、一般の方から見ると薬剤師は何をやっているのか分かりにくいですよね。ヒドイ場合は病院からの処方箋通りに、ただ薬を出しているだけだと思われている。それじゃあ、薬剤師なんていりませんからね。
  • 小島:そうですね、それは僕たちが調剤薬局は薬をもらうだけの場所だと思いこんでいるところにも問題がありますね。
  • 斉藤:薬剤師は薬の専門家です。薬のことだったら医師よりも勉強しているし、プロフェッショナルなんです。だから患者さんの事情、例えば今までの病歴はもちろん生活スタイルや家族構成など、全ての情報を加味した上でその患者さんと向き合う。そこまでやるから薬についてのアドバイスもできるし、処方ミスや禁忌を見抜く事もできる。そう考えれば患者さんともっともっとコミュニケーションをとらなければならないんです。
  • 小島:そんな思いを束ねていって、「お薬のことも、お薬以外のことも」というマイタウン薬局のスローガンが出来上がりました。マイタウン薬局は普段から地域住民と親密なコミュニケーションをとり、日常的に人々の健康管理に関わらなければならない。そ んな思いがこのスローガンに込められています。

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薬局薬剤師がもっともっと世の中で
認められるために、
「お薬のことも、お薬以外のことも」。

  • interviewer—このスローガンを掲げ、今後どのように進めていきますか?
  • 斉藤:難しいことじゃないんです。ただ、患者さんと交わす挨拶や会話から、察することだと思います。これも凄く当たり前のことなんですが、「思いやり」を持って患者さんと向き合えば、自然と必要な対応が生まれ、サポートできるはずなんです。
  • 小島:そういえば一度、調剤薬局に助けられた事があります。以前、朝早く打ち合わせに向う途中、酷い腹痛に襲われて動けなくなっちゃって。ドラッグストアを探したんですが、早朝なのでどこも空いていません。もうダメだと車を止めた時、開いてる調剤薬局が目の前に (笑)。「調剤薬局って処方箋なくても薬売ってくれるんだっけ…?」と、もうろうとする意識の中で考えましたが、稾にもすがる思いで飛び込みました。そのときの薬剤師の先生が凄く良い対応をしてくれて。僕は出されたコップ一杯の水と薬一錠をその場でグイっと飲みました。水を半分くらい残すと「ちゃんと最後までのむ!その方が早く効くのよ」と、薬の説明や飲み方などを丁寧に指導してくれました。腹痛はすぐに治まり打ち合わせも予定通りできました。調剤薬局ってこういう事もできるんだ、と凄く感動しました。
  • 斉藤:そうなんです。薬局薬剤師は、患者さんの顔を見て、直接薬をお渡しすることができます。お声掛けした際の返事や表情から、その患者さんの状態を察する事ができます。だから、当然患者さんのためになりたいと思っているんですよ。だけど「もっと頼って下さい」と言ったって、急に何か相談できるものでもない。だからこのスローガンは調剤薬局の薬剤師が、もっともっと世の中で認められるための第一歩でもあるんです。このスローガンを心に、まずはマイタウン薬局とその薬剤師が変わらなければいけないと強く思っています。
  • 小島:だから僕がまずやったことは、このマイタウン薬局の思いを視覚化し、旗印とする事でした。マイタウン薬局の薬剤師が目指す、あるべき姿とは、精度の高い調剤技術と知識を持ち、それと同じ分だけ地域社会や仲間など、関わる全ての人へ思いやりの心を 持ち合わせている事です。それを視覚化し、日常的に見ることで、日々の業務に追われる中でも、この旗印を見るたびに原点に立ち返り、お互いを見守り均衡を 保ってほしい。そんな思いを込めデザインしました。
マイタウン薬局のアイデンティティが視覚化されたシンボルマーク。

マイタウン薬局のアイデンティティが視覚化されたシンボルマーク。

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まだまだゴールは遠く、始まったばかりですが、 私たちと一緒に調剤薬局の未来を創りませんか?

  • interviewer—マイタウン薬局は変わって行く、その最中なんですね?
  • 斉藤:今まさに。そこに共感してくれる人と共に働きたいですね。完成されていないから、当然課題も多いです。でも目指すべきゴールは見えています。そこへ向かって小さな事からコツコツと改善していく。それで成長感が味わえるし、確実に良い方向に向 かっていると感じることができています。しんどいですが、やり甲斐はあります。正直、私自身がこんなことに気がつけたのもここ数年の話なんです。でもそれ をそのまま知って頂きたい。ダメな自分たちを包み隠さず「変わろうとしている姿勢」を感じてほしい。 まだまだゴールは遠く、全ては始まったばかりですが、私たちと一緒に調剤薬局の未来を創りませんか?

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斉藤仁是
1978年、名古屋市北区で生まれ育つ。マイタウン薬局に勤め、薬剤師として日々患者さんと向き合いながらも、取締役部長として人材の育成に励んでいる。プライベートでは学生時代に陸上部、現在は地元のソフトボールクラブチームに所属し、体育会系な面を持ちつつも趣味は麻雀とプロレス観戦。三児の父である。
小島邦康
1975年岐阜県生まれ。IAMAS(岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー)卒。株式会社アーティカル代表。「Less is more」をテーマに小さなデザインスタジオを運営。美術館や文化施設のグラフィックから、小さな洋菓子店のブランディングまで手がける。できるかぎり長期的で広告に頼らないデザインを心がけている。
http://www.artical.in

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