【第一回】 薬局に“サードプレイス”の考え方を! …サードプレイスって何ですか?

【第一回】 薬局に“サードプレイス”の考え方を!  …サードプレイスって何ですか?

マイタウン薬局本部で働く荻原が、薬局や 薬剤師 の可能性を広げるため、興味のある場所に潜入したり、体験したり、会いたい人に話しを聞きに行ったりする企画です。薬局の枠を飛び越えて、マイタウン薬局の未来を探ります。

第一回目は、「はじまるcafeほほえみ」。

前回の対談で、カフェを併設し、地域住人のよりどころになっている医療機関があると知りました。地域の健康ステーションを目指すマイタウン薬局にとって、とても興味深い「場」作り。それを実践している介護施設がこの名古屋にもあるとのこと。早速おじゃまして施設長森本さんにお話をうかがいました。

interview : 荻原洋介

なぜ、「はじまるcafeほほえみ」を作ろうと思ったのか?

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荻原:はじめまして。
森本:はじめまして。すみません、料理作りにバタバタしてご挨拶も遅れてしまって。
荻原:施設長がいつも料理を作るんですか?
森本:そうですよ。メニューを考え、買い出しをし、料理を作って…まだまだいろいろとありますが、カフェでは当たり前に店主がしていることじゃないでしょうか。
荻原:確かにカフェではそうかもしれませんね。
この施設は、私の想像していた介護施設とは随分違います。開かれた入口や、大きな厨房、オシャレなフロア、どこを見ても本当のカフェのようです。
なぜ、ここまで徹底した施設を作ろうと思ったんですか?

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目指したものは「フジロック」!?

森本:まず、根本的な話になるのですが、この施設を作ると決めたとき、コンセプトメイクにかなりの時間をさきました。
実は私は最初、コンセプトなんてどうでもよくて、自分の目指したい施設を作ればうまくいくと思っていたんですが…。目指したいものというのがなかなか上手く人に伝わらなかったんです。
荻原:確かに、言葉で皆に分かってもらうことは難しいですよね。
森本:この施設を運営する株式会社ほほえみは多くの介護施設を展開していますが、代表の杉浦は常々コンセプトが一番大事だと言います。コンセプトなんて建 前じゃん…と考えていた私も、社長に理解されない事には前に進むことができない。そうやってコンセプトをまとめる事ができずに頭を抱えていた時、代表の杉 浦からあるデザイナーさんを紹介してもらいました。

そのデザイナーさんと時間をかけて様々な話をしました。何日もデザイン事務所に通い、今までの経験や、自分が大切にしていることなど、本当にたくさんの話を一緒にしました。

その中で、どんな介護施設にしたいか? と問われた時にキーワードとして出て来たのが、「フジロック」でした。

荻原:「フジロック」って、山で行われる音楽野外フェスのことですか?
全然違うもののように思いますが…。そもそもあれは、音楽を聴くイベントですよね?

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森本:そうです。私は大好きで、毎年行っています。(笑)
「フジロック」に来ている人って、意外に音楽は二の次だったりするんですよね。あんなにたくさんのアーティストが出てるのに結局1つのバンドしかみていなかったり。
荻原:え? じゃあ、何をしに行っているんですか?
森本:それぞれ勝手な楽しみ方をしているんですよ。好きなものを作って食べている人、自然の中でボーッとしている人、仲間同士はしゃいでいる人。みんな思 い思いの心地良い時間を過ごしていますよ。フジロックというイベントの中に、自分の居場所を作って楽しんでいるんだと思います。
少なくとも私にとってはそうでした。だから毎年行くんです。そういう施設にしたいと思いました。
荻原:なんとなく分かるような、分からないような…。

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家でもなく外でもない、第三の居場所=サードプレイス

森本:そうなんです。なかなか伝わりずらいんです。でも、ある時デザイナーさんが「それって、サードプレイスってことでは?」と提案してくれました。
サードプレイスとは、例えばカフェのように、家でも外でもない第三の心地良い居場所のこと。とてもしっくり来ました。

そこで出来上がったのが「はじまるcafeほほえみ」のコンセプト、
「お年寄りにサードプレイス(第三の特別な場所)を」でした。

荻原:なるほど。お年寄りにとっての居場所を作ったということですね。
森本:お年寄りにとって、心地の良い場所といえばやっぱりカフェじゃないかと思いました。実はカフェも、コーヒーを飲みにくるだけじゃない。読書をした り、新聞を読んだり、考え事をしたり、友達同士お話したりしにきているのだと。だから、この施設も好きな過ごし方の出来る場所にしようと思いました。
荻原:そうやってコンセプトが出来上がってきたんですね。
森本:コンセプトが決まったら、その後はトントン拍子に進んでいきました。居心地良いカフェとは?を追求したら今の施設になっていったわけです。

…続く

居心地の良いカフェを作っていくために、森本さんはどのようなことに気をつけたのでしょうか。その続きは第二回【「はじまるcafe」が目指したもの“普通”にこだわるとは?】にて。

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「はじまるcafeほほえみ」
お年寄りがカフェに行く気持ちで、自然にデイサービスを利用してほしいという思いから生まれた。お試しカフェ随時募集中!お気軽にご連絡ください。
住所:名古屋市中川区長良町3-30-2市営長良荘1階
TEL:052-655-5411

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森本恭一
大学卒業後、郵便局員、アパレル関連の仕事をした後、介護士になります。独自の視点を持ち、介護に取り入れ、様々な改革を試みる。「はじまるカフェ」の立ち上げから施設長として携わり今に至る。
趣味:音楽(特にフェスに行くのは好きで、フジロックは皆勤賞)
特技:料理
好きな言葉:肝心なことは目に見えない
荻原洋介
大学卒業後、産業機械設備商社にて営業、自動車部品メーカーにて生産管理やトヨタ方式現場改善を行い、その後マイタウン薬局に入社。マイタウン薬局では本部に所属し、人財の採用業務や取引先との交渉等々を行っている。
趣味:スポーツ観戦(主にサッカー)
好きな言葉:『学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である。』松下幸之助

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