【第一回目】地域に根ざすために、大切なこととは? 人と人とのつながりを強く持つために。
マイタウン薬局本部で働く荻原が、薬局や薬剤師の可能性を広げるため、興味のある場所に潜入したり、体験したり、会いたい人に話を聞きに行ったりする企画です。薬局の枠を飛び越えて、マイタウン薬局の未来を探ります。
“オギ”が行く!の企画も二回目。
今回は、春日井市勝川にある「カフェ百時(ももとき)」。
活気ある勝川の商店街にある、古民家を活かした落ち着けるカフェ。様々なイベントを開催していたり、店内でアーティスト作品の展示があったりと、いつも人で賑わっています。マイタウン薬局春日井店や勝川店からほど近い、この「カフェ百時」の店主、伊佐治素美さんにお話をうかがいました。
interview : 荻原洋介
居心地の良さをトコトン追求するために、主張しすぎない。
荻原:こんにちは。
伊佐治:こんにちは。お待たせしてすみません。ちょうどたくさんのオーダーが入ったところだったので。
荻原:実際に料理を作ったり、店長としてのお仕事をこなしたり大変ですね。
伊佐治:そうですね。もちろんスタッフも手伝ってくれますが、私はカフェが大好きなので大変なのは気になりませんよ。
荻原:カフェが好きで始められたんですか?
伊佐治:そうですね。私は昔から、カフェで過ごす時間が好きなんです。カフェって特別な存在で、人によって様々な目的で訪れる場所だと思うんです。例えば、美味しい珈琲が飲みたいとか、スペシャルな食事がしたいとか、本が読みたいとか、落ち着いた時間を過ごしたいとか、時には一人で泣きたいという方も、人によって全然違う。
荻原:なるほど。カフェ百時さんはどんなカフェを目指しているんですか?
伊佐治:私は、来てくれる方の感情に寄り添えるような、そんな居心地の良いカフェでありたいと思っています。
荻原:ここは、親しい親戚の家に帰ってきたような落ち着ける雰囲気がありますね。
伊佐治:ありがとうございます。居心地の良さを追求するということは、大きく主張しすぎないことだと思っています。もちろん、店内も珈琲も食事もこだわっていますが、あまり押し付けたくない。あくまで心地良い時間を過ごすためのもの。目に触れ、口に入ったものを自然と気に入ってくれたらという感覚です。
荻原:珈琲に添えられている小さな手作りデザートや、花がいいですね。大げさでないところに心遣いを感じ、癒されました。
伊佐治:ありがとうございます。
商売をするなら馴染みのある地域がいい。
http://mytown-p.com/okusuriigai/【第二回目】業種の違う5人の事業主とだから出/伊佐治:カフェ百時はもともと春日井の鳥居松町にあったんです。私が育った土地ですが、カフェを開くならその地元が絶対良かった。おかげで、知り合いのお客さんも多く、いろいろと助けていただくことも多かったです。お店の移転を決めた時も、なるべく地元から離れないようにと考えました。
荻原:現在のカフェの場所、勝川は近いですもんね。私もこの勝川周辺で育ったので、やはり愛着があります。
伊佐治:そうですよね。土地に愛着があるということは、当たり前に人とも近くなる。人と人がちゃんと繋がっている、地域に根ざした場所にいたいんです。前のお店に来てくださっていたお客さんも今ではこちらに足を運んでくださるし、随分長いお付き合いの方も多くなってきました。そのようなお客様のお顔を見て、「元気そう」と安心したり、世間話をしたりできるのが、私にとって大切にしたいお客様との距離感なんです。
荻原:とても共感します。私たちも、薬局という立場で地域の方々に携わっています。でも、薬の処方箋を病院から受け取った時にしか行けないという認識がまだまだ根強いです。ただ、マイタウン薬局という場所は、人と人がちゃんと繋がっている、地域に根付いた場所にしていきたいと強く思っています。そのためには、薬局内だけを見ていてはいけないと感じ、このようにお話を聞きに来ました。
伊佐治:私も薬局には薬をもらいに行く時にしか行きません。そういう所だと思っていましたが…。
居心地の良い薬局とは?
荻原:実際は、お薬のことで迷ったり、困ったりした時は相談して欲しいんです。自己判断で間違った飲み方をしてしまうのは、薬の効果を低下させるどころか、重大な問題になってしまう恐れもあります。本来、薬局とは、先ほど伊佐治さんが大切にされている、ご挨拶やちょっとしたお話の中から、その方の健康状態を感じ取り、お薬のアドバイスをする場所でもあります。
伊佐治:実は以前、昔から来てくださったお客様が重い病になったことがありました。とても真面目な方で、もらったお薬を忠実に全て飲んでいらっしゃったそうです。回復の兆しがあれば必要なかった薬だったようで、飲み続けたため、身体に負担をかけ、悪い状態になったと聞きました。「薬局に相談に行ったら?」と周りが声を掛けてあげられたらよかったかもしれませんね。
荻原:そうですね。でも、まずは薬局が地域の方々に頼っていただき、気軽に足を運んでいただける場所でなくては。そのためには、居心地の良い場所であることが大切だと感じました。
伊佐治:薬局で日頃から血圧が計測できるとか、健康チェックの目的で訪れることができたら良いかも。やはり、地域の人たちが健康について不安に思った時に、ふらっと立ち寄れる雰囲気が大切ですね。
荻原:そうですね。カフェとは違う角度で、薬局としての居心地の良さを追求してみます。
…続く
- 「カフェ百時(ももとき)」伊佐治素美
- 古民家をリノベーションした起業シェア店舗に入るカフェの代表(店主)。過去の店舗デザイン、インテリアの仕事を活かし、寛げる空間を作り上げている。お客様は、それぞれの目的でゆっくりとカフェに訪れてくれたらいいと、こだわりを主張しすぎないおもてなしを目指している。
住所:愛知県春日井市旭町1丁目11(勝川大弘法通り商店街内)
http://ameblo.jp/momotoki-m02/
- 荻原洋介
- 大学卒業後、産業機械設備商社にて営業、自動車部品メーカーにて生産管理やトヨタ方式現場改善を行い、その後マイタウン薬局に入社。マイタウン薬局では本部に所属し、人財の採用業務や取引先との交渉等々を行っている。
趣味:スポーツ観戦(主にサッカー)
好きな言葉:『学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である。』松下幸之助