【第二回】 「はじまるcafe」が目指したもの。 “普通”にこだわるとは?

【第二回】 「はじまるcafe」が目指したもの。 “普通”にこだわるとは?

マイタウン薬局本部で働く荻原が、薬局の可能性を広げるため、興味のある場所に潜入したり、体験したり、会いたい人に話しを聞きに行ったりする企画です。薬局の枠を飛び越えて、マイタウン薬局の未来を探ります。

「はじまるcafeほほえみ」に込めたコンセプト、「お年寄りにサードプレイスを」。その居場所を心地良いものにするために、とことん“普通”にこだわったと言います。それは、どのようなことでしょうか? 実際に施設内を案内してもらい、ランチを食べ、体感してみました。

interview : 荻原洋介

介護施設なのか? カフェなのか?

荻原:とにかくエントランスが開放的ですよね。デイサービスといえば、出入りに気を使ったり、受付があったりという勝手なイメージだったんですがここはカフェそのもの。デイサービスという看板すらないことに驚きました。
森本:カフェですからね。
荻原:そして何より、ランチが美味しかったです。丸まるとした豆腐ハンバーグや冬瓜の煮ものは味付けが洋風で斬新でした。旬の食材が取り入れられていることが分かったし、お皿や盛りつけにもこだわっているのが良く分かりました。
森本:利用者さんもランチを楽しみにしてくれている人が多いですね。
荻原:年配の方には結構なボリュームだったのでは?
森本:調理の仕方を工夫すれば、お肉も美味しく食べられますよ。今日の豆腐ハンバーグはジューシーさにこだわりましたが、肉と豆腐が半々なんです。毎日み なさん、ほぼ完食してくださる。味付けも、家で食べたことのある懐かしい味よりも、ここで初めて食べて美味しかったという驚きを大切に作っています。
荻原:料理にもそこまでこだわっているってすごいですね。
森本:施設を作っていくとき、「カフェなら“普通”こうだよね?」と問い正しながらの作業でした。少しコンセプトから外れそうになったらすぐに軌道修正し て。代表の杉浦が言っていた通り、コンセプトさえしっかりしていれば、目指したいものが、ぶれることなく人にも伝わりました。

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徹底した居心地の良い場所を作る。

徹底した居心地の良い場所を作る。

だから、外に出している看板にも「デイサービス」と入れるべきではないし、料理も美味しくなくてはいけない。そうなると厨房施設もこうなるし、私も料理にこだわれば、買い出しも、調理もするわけで。(笑)

荻原:なるほど。そして、気になっていたんですが、あのライブセットは何ですか?かなり本格的なギターやアンプ、打楽器もあったのですが。
森本:ライブをします。
荻原:ここで、ですか??
森本:私がギターを弾いて歌います。結構最近の曲目を取り入れていますが、ご年配の方々にも好評ですよ。
「おばあちゃん、その曲なんで知っているの?」とお孫さんと話が合ったとか、喜んでくれています。でも普通、人を楽しませようと思えば歌くらい唄うでしょ?

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“普通”にこだわる。

荻原:介護施設として、あまり普通ではないですよね。
森本:いえいえ、介護施設として“普通”なことがしたかったんです。私は年配の方々を幼児扱いしたくないというか、大人としてちゃんと接したいのです。介護する立場の“普通”って何でしょう?
身体は確かに思うようには動かないとしても、立派な大人。今の時代の感覚をちゃんと理解できていると思います。食べものだって、音楽だって、フロアの雰囲気だって。今、私たちが良いと思うものをちゃんと作れば、受け入れられると自信がありました。
荻原:そうですね、我々も常々“当たり前のことを当たり前にやろう”と言っています。でもその当たり前のことがなかなか難しい。
森本:難しいんですよ。だからここは徹底して、普通にこだわって居心地の良い場所にしたかった。介護施設だと思うと、珍しいものになっているかもしれませんが、一般的に見たら普通に居心地の良い場所ですよ。

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1ミリも介護施設に見えないように。

森本:誰だって、おいしい料理が食べたいし、くつろげる空間にいたい。そこに音楽があったり、一緒に参加できるイベントがあったら、なお良いで しょ。普通に私たちが良いと思う環境を作り、普通に一人の大人として接したいと思うと、なかなか妥協ができなくて。1ミリも介護施設に見えないようにする ことが、居心地良い普通の環境を作ることだったんです。
荻原:森本さんの思う普通がこの施設なんですね。
森本:そしてなにより、「今日はデイサービスに行ってくる。」と言うより、「カフェに行ってくるね。」という方が自然でいいでしょ。特別なものと思って欲しくないんです。
荻原:確かに。利用者さんが楽しみに行ける居心地の良い場所を作るのは、そういったこだわりや配慮がなされているからなんですね。まだまだお聞きしたいことがいっぱいです。

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…続く

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では、調剤薬局として地域の人たちに何ができるのか。何を目指すべきか。「はじまるcafeほほえみ」をヒントに考えてみました。その続きは
第三回【マイタウン薬局として、何ができる? 人の集まる場の作り方。】にて

 

過去の記事

【第一回】 薬局に“サードプレイス”の考え方を! …サードプレイスって何ですか?
「はじまるcafeほほえみ」
お年寄りがカフェに行く気持ちで、自然にデイサービスを利用してほしいという思いから生まれた。お試しカフェ随時募集中。
住所:名古屋市中川区長良町3-30-2市営長良荘1階
TEL:052-655-5411

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森本恭一
大学卒業後、郵便局員、アパレル関連の仕事をした後、介護士になります。独自の視点を持ち、介護に取り入れ、様々な改革を試みる。「はじまるカフェ」の立ち上げから施設長として携わり今に至る。
趣味:音楽(特にフェスに行くのは好きで、フジロックは皆勤賞)
特技:料理
好きな言葉:肝心なことは目に見えない
荻原洋介
大学卒業後、産業機械設備商社にて営業、自動車部品メーカーにて生産管理やトヨタ方式現場改善を行い、その後マイタウン薬局に入社。マイタウン薬局では本部に所属し、人財の採用業務や取引先との交渉等々を行っている。
趣味:スポーツ観戦(主にサッカー)
好きな言葉:『学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である。』松下幸之助

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